ファッションとして語られる時計

時計とは人の手による宝石

「時」を「計」るとの名称の通り、時計は時間を確認するための装置です。ですが、それを実現するために人類が費やしてきた努力はどれほどのものでしょうか。人類の叡智と血の滲む努力と、職人の精密な技術が「等速調速機」というメカニックを誕生させました。「ガバナー」とも呼ばれるそれは、まさに時計の心臓部です。水晶(クオーツ)に電圧をかけることで同等の機能が得られることがわかった今でさえ、「人の手による宝石」とまで言われているのです。

時計がファッションになったわけ

そうした精緻で繊細なメカですから、大量生産時代が訪れるまではそれは限られた人間の手にしか渡りませんでした。職人の手でしか作れない高品質のものになると、現在でさえ同じ状況にあると言わねばなりません。

すなわち、かつて時計を持つことは宝石と同等かそれ以上にステータスでした。従ってそれは、ファッションとしての価値と側面を獲得するに至ったのです。「不動産会社の社長はなぜ皆悪趣味な金ピカの……」といったジョークも流行りましたが、クオーツによらない機械式調速機の高貴さそれ自体は未だ衰えていません。

今なおファッションとしての力を持つ腕時計

無論、ファッションたるためには身につけなくてはいけません。枕元の目覚ましならまだしも、鳩の飛び出る柱時計を担いで歩く姿は誰がどう見ても悪い冗談にしかならないでしょう。

従ってファッションたりうる時計とは、腕につけるものや懐にしまうものに限られることになります。バブル時代には、ことに前者のもてはやされようは凄まじいものがありました。当時それは「時間を確認するもの」ではなく、「ブランドを見せつけることで自己の価値を証明するもの」だったのです。現在でも、その感覚を引きずっている管理職の人間は少なくありません。

ロレックスの場合、デザイン性と使い勝手を兼ね備えた腕時計として人気で、様々なファッションとの相性にも優れています。